Ecolife情報 > 家庭の二酸化炭素排出量

エネルギー原単位・CO2排出原単位

 二酸化炭素排出量の届出(国として、事業者として)をする必要があり、原単位についても整備が進められてきました。ほぼ信頼できる係数として使うことができます。

 ただし電力については、年ごとに係数が変わったり、地域ごとに(原子力の割合などにより)異なったりします。新電力についても、環境省がとりまとめをして毎年報告されています。都市ガスには、大部分は13Aとよばれるガスに転換されつつありますが、6Aなど別の種類のガスが使われている場合もあります。地域で供給されるガスについては、ガス器具で確かめてください。

設定値

エネルギー種に関する原単位 (電力以外)

種類二酸化炭素排出量kg-CO2/MJエネルギー量二酸化炭素原単位
都市ガス51.341.14MJ/m32.11kg-CO2/m3
LPG58.650.25MJ/kg2.94kg-CO2/kg
灯油68.536.73MJ/L2.52kg-CO2/L
ガソリン68.834.63MJ/L2.38kg-CO2/L
軽油69.238.24MJ/L2.65kg-CO2/L

1MJ(メガジュール):エネルギー消費量の単位

電力のCO2排出原単位

 正直、それぞれの立場ごとに議論がわかれるところです。係数の取り方により、「電気とガスとどちらが環境にいいか」という判断がわかれるところです。

 省エネルギー法のもとで、事業者が報告に使用する係数が示されるようになり、この考え方が標準的に用いられるようになっています。2006年の改正前では、一般電気事業者の全電源平均値(0.378kg/kWh)でしたが、改正後は、0.555kg/kWhが設定され、各電力会社ごとの数値が得られるのであればそれを用いてもいいとされました。各電力会社の係数は沖縄を除きこれより低い値ですので、実質的に「全国で通用する話をするときに使える係数」はなくなってしまったようです。

 (一般電気事業者+特定の電気の発電に伴い排出された二酸化炭素の量)÷電気事業者が供給(小売り)した電気の量(kWh)で求めた値が、0.555という値になるようです。

 このほか、京都メカニズムに関する国内クレジット制度において用いられている、マージナル係数として、0.55kg/kWhがあります。こちらには、原子力発電が含まれていません。

 2013年度用の報告では、代替値もマージナル係数と同じ0.55kg/kWhを使うこととなっています。

 なお、第1回新しいクレジット制度準備委員会(平成25年3月13日)では、資料6-3で0.524kg/kWh(2009年度値)が提案されています。検討が進められており、2010年度値は0.540、2011年度値は0.569kg/kWhとなっています。

 実質家庭では、電力会社から購入していますので、全国の平均値を用いるのが現実的ですが、国のお墨付きがなくなったといった状況です。

日本全体の全電源平均原単位

日本全体の経年全電源平均の電力原単位(2000年度以前) (kg-CO2/kWh)

1990年度1991年度1992年度1993年度1994年度1995年度1996年度1997年度1998年度1999年度2000年度
0.4240.4160.4230.3930.4180.3940.3850.3690.3560.3750.378

 一般電気事業者分。

電力会社別の全電源平均原単位

 環境省から各電力会社の係数が示されています。ここにあげられていない場合には、代替値(2006年度は0.555、2012年度は0.550、2015年度は0.579)を使うとされています。

各電力会社の全電源平均電力原単位(kg/kWh)

北海道電力東北電力東京電力中部電力北陸電力関西電力中国電力四国電力九州電力沖縄電力全国平均
2005年度0.5020.5100.3680.4520.4070.3580.640.3780.3650.940.423
2006年度0.4790.4410.3390.4810.4570.3380.6700.3680.3750.9320.410
2007年度0.5170.4730.4250.4700.6320.3660.6770.3920.3870.9340.453
2008年度0.5580.4690.4180.4550.5500.3550.6740.3780.3740.9460.444
0.5580.3400.3320.4240.4830.2990.5010.3260.3480.9460.373
2009年度0.4330.4680.3840.4740.3740.2940.6280.4070.3690.9310.412
0.4230.3220.3240.4170.3090.2650.4960.3560.3480.9310.351
2010年度0.3530.4290.3750.4730.4230.3110.7280.3260.3850.9350.413
0.3440.3260.3740.3410.2240.2810.4910.3260.3480.6920.350
2011年度0.4850.5470.4640.5180.6410.4500.6570.5520.5250.932
0.4850.5460.4630.4690.5460.4140.5020.4850.5030.6920.476
2012年度0.6880.6000.5250.5160.6630.5140.7380.7000.6120.903
0.6800.5600.4060.3730.4940.4750.6720.6560.5990.6920.487
2013年度0.6780.5910.5300.5130.6300.5220.7190.6990.6130.8580.570
0.6810.5890.5210.5090.6280.5160.7170.7060.6170.7630.551
2014年度0.6830.5710.5050.4970.6470.5310.7060.6760.5840.8160.556
0.6880.5730.4960.4940.6400.5230.7090.6880.5980.8160.554
2015年度0.6690.5560.5000.4860.6270.5090.6970.6510.5090.8020.587
0.6760.5590.4910.4820.6150.4960.7000.6690.5280.7990.587
2016年度0.6320.5450.4860.4850.6400.5090.6910.5100.4620.7990.512
0.6400.5480.4740.4800.6240.4930.6940.5290.4830.7890.512
2017年度0.6660.5210.4750.4760.5930.4350.6690.5140.4380.7860.496
0.6780.5230.4620.4720.5740.4180.6770.5350.4630.7720.496
2018年度0.6430.5220.4680.4570.5420.3520.6180.5000.3190.7860.462
0.6560.5280.4550.4520.5270.3340.6360.5280.3470.7690.462
2019年度0.5930.5190.4570.4310.5100.3400.5610.3820.3440.8100.445
0.6010.5220.4420.4260.4980.3180.5850.4110.3710.7870.445
2020年度0.6010.4760.4470.4060.4690.3620.5310.5500.3650.7370.433
0.6010.5210.4410.4240.4970.3180.5850.4080.3700.7050.433

2005年度係数 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8193(2007年3月

2006年度係数 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8836(2007年9月)、http://www.env.go.jp/policy/ga/bp_mat/02electoric-03.pdf

2007年度係数 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10574(2008年12月)

2008年度係数 http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=14788&hou_id=11956(2009年12月)

2009年度係数 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13319 (2010年12月)

2010年度係数 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14702 (2012年1月)

2011年度係数 http://ghg-santeikohyo.env.go.jp/files/calc/list_ef_eps.pdf

2012年度係数 http://ghg-santeikohyo.env.go.jp/files/calc/h26_coefficient.pdf

2017年度係数 http://www.env.go.jp/press/106320.html

2019年度係数 https://www.env.go.jp/press/files/jp/115373.pdf

  • 全国平均:2011年〜2016年の全国全電源係数は、Jクレジット制度モニタリング・算定規定より。2017年以降の全国平均は、沖縄電力を除く一般送配電事業者(9電力)の平均。
  • 「前」「後」は京都メカニズムクレジット、再生可能エネルギー買取制度反映の前後、2017年以降は「基礎排出係数」と「調整後排出係数」。調整後が複数ある場合には通常契約で使われる「残差」の値。

参考資料

このサイトでの計算根拠

 このサイトの「自動計算」では、現在以下の値を用いて計算をしています。設定を変えて計算できるようにしていく予定です。「自動計算」と書かれていない場合には、この値でない場合もあります。

CO2係数単価利用単位
電気0.55027kWh
都市ガス2.23127m3
LPガス6.0560m3
灯油2.4978L
ガソリン2.32134L
軽油2.58112L

 水道のCO2排出係数がちまたで議論になっています。環境省からは0.36kg-CO2/m3という数値が新たに出されていますが、どうもこれは上水道だけで、下水道分は含まれていないようです。

http://www.jccca.org/component/option,com_docman/task,doc_download/gid,758/Itemid,622/


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Last-modified: 2022-04-12 (火) 20:56:23, by 有限会社ひのでやエコライフ研究所