床暖房は省エネ?†暖房器具としては、足下が暖かいほど快適さが高いこともあり、床暖房は理にかなった暖房方法です。他の暖房器具を使うと、どうしても天井に暖かい空気がたまってしまい、床付近が冷たくて不快な思いをすることがあります。 快適さを売り物にしている床暖房ですが、どうも消費エネルギー量は、通常の暖房よりも多くなりそうです。 関西電力 オール電化情報サイトより†http://www.denka-life.com/living/aircon/index.html(関西電力:閉鎖) http://www.elgraceclub.jp/denka/vol1/index.html(関電不動産:掲載中) このページ自体は「ガス暖房よりもエアコンのほうが環境負荷が小さい」ことを述べています。ページの真ん中下あたりに、同じ快適さの状態での、「エアコン」「ヒートポンプ床暖房」「ガス暖房」「ガス床暖房」の環境負荷の比較がグラフで示されています。エアコンを100とした場合のCO2排出量は、グラフを読むとおおよそ以下の値になります。
これによると、同じ快適さを得るのでも、1.5〜1.8倍のCO2排出となっているのが示されます。また「床暖房のほうが快適」とされるレベルまで床暖房を使うとなると、さらに多くのエネルギー消費・CO2排出となる可能性があります。 また電気の床暖房としては、ヒートポンプ式はまだ一般的ではありません。通常の電気による床暖房の場合には、この3倍程度のCO2排出量になると推計されます。 床暖房の表面温度と部屋温度†床暖房の表面温度はおおむね25〜30℃程度に設定されています。これ以上低いと、フローリングの場合に熱が奪われる感覚がでてしまいます。 床面全体が25℃以上に設定されたとき、部屋の温度は何℃になるのでしょうか。暖房の目安は20℃ですが、たぶんそれ以上になってしまう傾向があると推計されます。 たしかに、同じ気温であれば床が暖かいほうが快適ですが、部屋全体の温度まで高くしてしまうと、エネルギー消費も当然多いということになります。 特に問題なのはオール電化の「蓄熱式床暖房」†夜間の安い電気料金体系を活用し、夜の間に熱を溜めておき、1日中熱を放出しつづけるのが蓄熱式床暖房です。温度調節は前夜に蓄熱量を設定する方法になります。 もし昼間人がいない場合には、「人がいない部屋をずっと暖房しつづける」ことに相当します。つまり、無駄な暖房をしていることになります。 次の日が暖かかった場合にも、調節をすることができませんので、「暑いので窓をあけっぱなしにする」という家庭もあるようです。これもエネルギーの無駄です。 前夜に溜めた熱を放出するため、次の日の夕方よりも朝のほうが暖かくなります。夕方を暖かくすごそうと考えるのであれば、朝はそれ以上に暖かい状態を作り出すことになります。 広告の問題†(株)リンナイが床暖房のインターネット広告を出していました。こたつやホットカーペットより床暖房がエコ度が高いということですので、以下のような質問をお送りしました(2011年10月24日)。回答がありましたら掲載します。 http://www.yukadanbou-kaiteki.com/kotatsu/ 床暖房と他の暖房器具についての「エコ度」の比較が記載されていました。この中 で気になった点がありますので、ご回答いただければ幸いです。 「こたつ」と「床暖房」の比較で、「こたつ」が「×」評価でその理由が「電気ヒ ーター式の暖房効率はよくありません」と記載されている一方、「床暖房」は「◎」 となっています。 こたつは平均消費電力が130〜200W程度で、部屋暖房がいらない場合が多くありま す。想定されている床暖房の熱量を、kcal/h単位で、またこのエネルギー量を電力換 算した場合どの程度なのか、お答えください。 同様に、「エアコン(平均600W)」「ホットカーペット(平均200〜300W)」との 比較もお答えいただければ幸いです。 さっそく10月25日に回答がありました。 床暖房で快適.com 担当、○○ ○○と申します。 この度は、床暖房で快適.comにお問い合わせいただきありがとうございました。 ご質問をいただいた件について回答させていただきます。 想定する温水式床暖房の熱量ですが、100〜150W/h・m^2(86〜129kcal/h・m^2) になります。 1m^2当たりの熱量ですので、敷設する床暖房(温水マット)の面積によって変わって きます。 また当サイトは部屋暖房としての効果について比較をしており、こたつは局所暖房 (部分暖房)のため部屋を暖めるのに、その他の暖房器具との併用が必要になりエコ 度の評価が「×」となっております。ホットカーペットも同様な理由になります。 エアコンについては最近は大変省エネになっていますが、上部からの温風暖房のた め、足元がなかなか暖まらず足元を暖める他の暖房器具を併用するとエコ度は下がっ てしまいます。 その点に比べ温水式床暖房は床面積の70〜80%敷きつめれば他の暖房器具に頼らな くてもお部屋を均一に暖めることができる暖房となっております。 以上、よろしくお願いいたします。 10畳部屋(16m2)でしたら、1100〜1800Wということでしょうか。少し断熱性能の高い住宅相当になるかと思います。こたつだけで暖房にもなる状況もあることについては、回答ありませんでした。回答に従い、組合せが不可欠というのであれば、こたつ(150W)+エアコン(600W)のほうが少なくなるかと思います。 再度質問をしました(10月25日) ○○ ○○様、ご回答いただきありがとうございます。回答で一部わからない点が ありましたので、再度お問い合せさせていただきます。 1)回答による「想定する温水式床暖房の熱量ですが、100〜150W/h・m^2」となる と、10畳で「7〜8割を敷き詰める」と、1100〜1800W程度の熱負荷ということになる かと思います。これは、こたつ(150W)+エアコン(300〜550W:COP3で計算)の組 合せ、ホットカーペット(300W)+エアコン(300〜500W:COP3で計算)の組合せよ りも大きな値となっています。これでは「温水式床暖房のほうがエコ度が高い」とは 言えないかと思います。少なくとも、こたつが×で床暖房が◎であるほどアドバンテ ージがあるとは思いません。もしくは、別の想定をされているのでしょうか? 2)回答で「当サイトは部屋暖房としての効果について比較をしており」とあるの ですが、ホームページ上では明らかに「こたつVS床暖房」や「ホットカーペットVS 床暖房」と、単体で比較を示しています。単体で「こたつ」もしくは「ホットカーペ ット」のみを使っている家庭であれば、床暖房にすることでエネルギー消費量が極端 に増える結果になるのは、回答いただいた結果でも示されているかと思います。これ は消費者に対して誤解を招くものであると考えますがいかがでしょうか。 3)エアコンについては、回答で「足元がなかなか暖まらず足元を暖める他の暖房器 具を併用するとエコ度は下がってしまいます」とありますが、最近の機種については 併用せずにも足下が暖まるかと感じております。併用を前提するのが適切なのでしょ うか?もしその根拠がありましたら教えていただけたらと思います。 以上よろしくお願いいたします。 早速回答がありました(11月26日)。 ○○様、この度は、ご指摘いただきありがとうございます。 こたつやホットカーペット等の電気ヒータ式の暖房効率がよくないと表示していた のは、電気は発電所から家庭に届くまでに送電ロスが約63%(1次エネルギー効率) あるという理由からです。 またご指摘いただいたように、エアコンとの併用のエネルギー消費量や「こたつ」 や「ホットカーペット」のみの使用であれば消費エネルギーはもともと少ないため、 ホームページの比較表については再度検討をしまして見直しをさせていただきます。 あと、エアコンと他の暖房器具を併用するかどうかは、エアコンの性能やお部屋の 条件などもありますので必ずしも併用を前提とは限りませんがホームページ上では 他の器具と併用での比較になっておりますので、これも上記と同様にホームページ の見直しをさせていただきます。 以上、よろしくお願いいたします。 コメント† |