Q20 ヒートポンプとは何?†
答えは、一番最後にあります
解説†ヒートポンプは、エアコンや冷蔵庫に使われている機能で、電気が持っているエネルギーを効率的に使えるため、省エネになるとされています。機器の作り方によって性能も変わってくるので、技術改善による性能向上も見られます。 省エネを代表する技術といわれる「ヒートポンプ」ですが一体何なのでしょう。 英語ではヒート=Heat(熱)のポンプ=Pumpです。水は高いところから低い所へ自然と流れていきます。高いところに移動させようとしたら、動力をつかってポンプを動かす必要があります。熱も同じように、温度が高いところから低いところへと自然に流れていき、逆には基本的に流れません。 ヒート(熱)ポンプということは、熱を移動させるのにあたって、動力や電力などのエネルギーを使うことで、ポンプのように、温度の低いところから高いところへとくみ上げることができる仕組みなのです。 太陽の光を活用するのは、太陽熱温水器や、太陽光発電などがあります。 エアコンの中でも、熱を効率的に伝える工夫はされています。室外機の中には、たくさんの「ひだ」がついた熱交換器が設置されています。銅やアルミなどの金属は熱を伝えやすいですし、さらに表面積を大きくすることで、効率的に熱を伝えるようにしています。 さらにちょっと詳しくヒートポンプという機能を使っても、基本は熱は、温度の高いところから低い所へしか流れません。でも、冷蔵庫では、庫外のほうが温度が高いのに、より低い温度の庫内から熱を外に送りだすことで冷やしています。エアコンの暖房でも、温度の低い屋外から熱をもらって、暖かい室内をさらに暖めます。どうしてこうしたことができるのでしょうか。 ここでは中学の理科で学ぶ2種類の性質を使っています。一つは水などの液体が蒸発するときに熱を奪うという性質、そしてもう一つは、気体を圧縮すると温度が上がり、圧力を下げると温度が下がるという性質です。 一つめは、濡れた服や布が冷たいのでもわかりますし、特に汗をかいたままで過ごすとしばらくすると体が冷えて風邪をひくと言われることもあるでしょう。汗は人間が、体温を下げるための工夫の一つです。エアコンや冷蔵庫では、液体と気体が循環できる管があります。冷蔵庫の庫内側で液体が蒸発して熱を奪い、それを管を通して側面や裏面で、再び液体に戻すことで熱を放出しています。 もう一つは、圧力を変える方法で、実際には1つめの液体にする方法も圧力をかけることで同時に行われていることが多いです。一度ためしてみたら面白いのは、自転車の空気入れで、タイヤにしっかり空気を入れると、空気入れの圧力がかかった部分の温度が上がります。また、スプレーやカセットボンベには高い圧力のガスが入っており、これを放出するときに圧力が下がり熱が下がります。少し放出した直後のスプレーやボンベを触ってみると、極端に冷たくなっていることがわかります。 圧力をかけることは、動力や電気をつかってすることができます。これで装置の中に熱い部分と、冷たい部分を作ることができれば、あとは、熱い部分を温めたいところ・熱を捨てたいところへ(エアコン暖房なら室内機へ、冷蔵庫なら壁面へ)、冷たい部分を冷やしたいところ・熱を集めたいところへ(エアコン暖房なら室外機へ、冷蔵庫なら庫内へ)持っていけば、求める熱移動ができます。あとは、効率的に熱を交換できるようにしたら完成です。 この熱交換の仕方、そして気体の圧縮のしかたに、工夫が必要になり、効率の違いがでてきます。
[答え] 2.温度の低いところから高いところへ熱を移動させること† |