気温が氷点下にならない時期はストーブ・ファンヒータではなくエアコンで暖房をしましょう†意外に思われるかもしれませんが、部屋を暖房する器具の中で最も省エネになるのは、エアコンです。 石油ストーブ、ガスファンヒーター、オイルヒーター、床暖房などの暖房器具は、いずれもエネルギーを熱に変換して使っていますから、燃料が持っているエネルギー以上に熱を生み出すことはできません。ところが、エアコンは電気を熱に変えている装置ではなく、屋外の熱を屋内に送り込む機能を果たしているため、電気が持っているエネルギーの3倍から6倍も暖めることができるのです。 同じだけの暖房をする場合、石油ストーブからエアコンに変えると二酸化炭素排出量は約6割に、ガスストーブからエアコンに変えると約8割(2割減)になります。 エアコンの暖房の最大出力は、7〜9kWに達しています。これは石油ファンヒーターや、ガスファンヒーターよりも大きな能力です。 2011年度のうちエコ診断の集計(暖房機器についての複数回答あり)をみると、III地域以北(おおむね北関東北陸以北)では灯油暖房が中心なのに対し、IV地域以南ではエアコンを暖房に使っている家庭が半分以上となっています。 資料:うちエコ診断ロジック検証WG報告書(2014改訂版) http://www.uchieco-shindan.go.jp/katei/pdf/uchiecoLogic2014.pdf 効果†ガスの暖房からエアコンに転換する場合
「電気の削減」がマイナスになっているのは、増えることを意味しています。 灯油の暖房からエアコンに転換する場合
「電気の削減」がマイナスになっているのは、増えることを意味しています。
エアコンと他の暖房器具の比較†上記JIS条件での1時間あたりの二酸化炭素排出量の比較です。暖房COPを3.5とし、電力CO2係数はマージナル係数(0.55kg/kWh)を使っています。 上記条件で、金額で比較をしてみました。 COP性能を落としての計算ですが、灯油代が高騰していることもあり、まだエアコンがいちばん安い結果となっています。 ちなみに、こちらは以前表示していたグラフです エアコンのCOPが5の場合の想定です。木造8畳間をエアコンJISに記載されている暖房負荷で運転した場合のCO2排出量と価格になります。 COPが実際にはカタログ値の6割程度しか出ていないのですが、ここでは5と想定していました。また、電力係数は全電源平均を使っていました。
省エネ診断†部屋の暖房について、省エネ診断ができます。 http://www.hinodeya-ecolife.com/test/hesap/index.php?ac=inp&nm=4 費用†すでにエアコンが設置されている場合には、そのまま使ってください。ただし10年以上前の機種では、特に寒いときに効果がでない場合もあります。 暖房でも活用するのであれば、省エネ型のエアコンがおすすめです。
(2019年4月更新) 関連の取り組み†部屋にエアコンが設置されておらず、新規に購入する場合には、E13 (冬)気温が氷点下にならない時期はストーブ・ファンヒータではなく最も省エネなエアコンを設置して暖房をするの取組みとなります。 導入のしかた†エアコンを暖房として使うときに気になるのが、「エアコンは暖まらない」という点です。ちょっとした工夫で解決します。 その理由は、エアコンが天井付近についており、暖かい空気が天井付近でたまって床まで送られてこないことにあります。エアコンを使うときには、送風を時々「強」にして床までしっかり暖気を送ることが省エネにつながります。最近の機種では、自動設定でも時々強風となるように設計されています。「弱」にするほうが省エネに思えますが、天井と床の温度差があるときには、逆に増エネになってしまいます。 最近のエアコンについては、暖房でしっかり床まで暖める機能を重視しています。10年近く前の機種であったり、フィルター掃除をしていなかったりすると、送風機能が十分でなく床付近まで温風が届かないこともあります。 また足下を暖めると、感覚的に暖かい感じがしますので、ホットカーペットやこたつを併用すると快適さが増します。ホットカーペットをつけた場合、室温を2℃下げても同じ快適さと感じられるようです。 おすすめの家庭†あまり外気温が低いときには、エアコンの効率も落ちてしまいます。おおむね氷点下にならないときには、エアコンが有効に機能します(寒冷地仕様のエアコンの場合には、より低温でも十分性能を発揮するものがあります)。 東海道以西など、比較的寒さがおだやかな地域は、冬の間の暖房としてエアコンを選ぶと効果的です。また北海道東北甲信越地方でも、寒さがまだ厳しくないときには、エアコンを使い、寒さが厳しくなってきたら石油ストーブなどを活用していくなど、使い分けることが効果的です。 ガス・灯油暖房の排ガスと換気†日本では、ガスや灯油のストーブ、ファンヒータがよく使われていますが、寒い地域以外では、室内で燃焼させて排ガスも室内に排出するタイプが主流です。メーカーからは「30分に1回を目安に換気をすること」が求められています。 特に古い機器や、改造をした給湯器などで問題になった、一酸化炭素中毒での事故が起こる可能性があることから、空気を入れ換えることが求められています。 ただしこれ以外にも、燃焼によってどうしても発生してしまう窒素酸化物などの大気汚染物質の問題も指摘されています。大気汚染というと交通量の多い道路などが問題とされていますが、そうした大気環境基準を超える濃度の窒素酸化物で汚染されているという結果も出ています。 秋口で暖房をつけはじめると、毎年アレルギーが発生するという人があり、話しによると暖房をエアコンに切り替えることで直ったということです。室内大気汚染が原因の一つではないかと思われます。 最近は暖房器具も工夫がされ、つけたときのにおいが少ないものなど開発が進めら得ていますが、大気汚染基準を達成するまでのものは少ないようです。海外では、以前から規制がされ、基本的には室内では燃やさないようになっており、排ガスを煙突を通じて室外に出すタイプになっています。特に近年の住宅は気密性が高まり、以前のようにすきま風がなくなったことも、影響しているようです。気密性が高まることは、省エネの観点から望ましいことですが、あわせて、暖房方法についても考える必要があります。 平成20年12月3日 東京都生活文化スポーツ局 http://anzen.metro.tokyo.jp/tocho/s_test/danbouki_press.html コメント†
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