(冬)厚手で長めのカーテンを使うか、窓に断熱シート(エアクッション等)をはる†部屋を暖めたり・冷やしたりしても、部屋のいろいろな所から気が付かない熱の出入りがあります。同じ部屋でも床や壁からの出入りもありますが、中でも窓から多くの熱が出入りします。部屋から逃げる熱のうち、およそ半分が窓からになりますので、窓の対策が重要です。 そこで窓にカーテンをかけたり、断熱シート(エアクッション等)を貼ることで、暖まった部屋から逃げる熱を簡単に遮断することができます。 効果†断熱シートにより、空気の層ができる分、熱が逃げにくくなります。空気の層が厚めのほうが断熱効果は高くなります。 カーテンは夏に日射をふせぐように、室内から外に逃げる赤外線を止める役割を果たします。いずれの方法でも、外気から窓を伝わってくる冷気を遮断することができ、暖かくなります。厚手のカーテンが望ましいとされていますが、薄いタイプでもそれなりに効果はあります。また長さは、窓が隠れる程度であれば構いません。裾を引きずる程度の長さにして、裾を窓側にめくり、窓から吹き下ろす風を止めることができれば、風を和らげる働きがありますが、そうでなければ数ミリのすきまでも風が勢い良く出てきます。 暖房で窓からすきま風のような冷たい風が流れてくる場合があります。窓がしっかりしまっていたとしても、窓の表面で冷やされた空気が流れ落ちてきて、冷たく感じることがあります。断熱をしっかりすることで、こうした冷たい風のながれも和らぎます。 断熱シートの場合には、結露もしにくくなります。結露は、湿気を含んだ空気が冷たいガラスの表面にあたることで水蒸気を放出してできるものです。断熱シートのおかげで、表面が冷たくなくなるため、結露も起きにくくなるという仕組みです。 費用†カーテンを持っていない場合は購入する必要があります。 断熱シート(エアクッション等)はホームセンター等で購入することができます。サッシ1枚で1000円未満です。 導入のしかた†取り組まれるときは、居間などの人がよくいて、暖房機器をよく使う部屋からはじめると効果的です。 また、断熱シートの切り貼りは簡単なのでどなたでも取り組めます。 ホームセンター等で売られているものは、両面が平らな面になっており、霧吹きで水をふきかけるだけで貼り付けることができます。2016年時点では水も不要なものも販売されています。サッシサイズのものも販売されていますが、10mのロールになっているものが比較的安価ですので、サイズを切ってつかってください。 さらに安く作りたい場合には、通常のプチプチ(R)シートを購入して、プチプチ面を2枚両面テープで張り合わせて作ることもできます。ただ、ガラス面とシートを両面テープでつけることは困難で、半年くらい後にはガラス面に両面テープが密着して取れなく(取れにくく)なる場合があります。粘着物は温めると剥がれやすくなります。 アルミサッシ枠の場合には、ガラス面と同様にアルミ枠からも熱が逃げやすくなります。このため、アルミ枠にもシートをつけるほうが望ましいのですが、この場合には、窓の開け閉めが難しくなる課題があります。窓枠に貼り付けるタイプの断熱シートも販売されるようになっています。 また、窓にぴったりつけるのではなく、窓の格子枠(手前の木の部分)全体を部屋の内側から覆ってしまう付け方をする方法もあります。(ちょうどもう一枚窓をつけた感じです)。しっかり窓枠を密閉することができれば、結露も少なく、断熱性能は向上します。ただし窓の開け閉めは、少し困難になります。 販売されている断熱シートの注意点としては、燃えやすい素材を使っていることが多く、台所やストーブのそばなど火を扱う場所では絶対に使わないようにしてください。カーテンは、通常防火規格が定められています。 断熱シートは十分暖かくなったら、外してください。何年も使うことができます。暑くなってきたら、日のあたる部屋では遮熱シートに張り替えることが有効です。 商品例†関連の取り組み†窓に対する工夫のより効果的にする取り組みとして、E42 窓を複層ガラスや二重サッシにして断熱性を高めるといったものもあります。 窓に障子がついている場合がありますが、障子紙1枚でも、ガラス1枚とほぼおなじ程度の断熱効果があります。ただし、湿気は通しますので、結露は比較的しやすくなります。 リフォームをするのなら、E108 リフォームで内窓をつけることも効果的です。 窓用の断熱グッズとしては、窓全体を覆うのではなく、床に屏風のように立てておくボードもあります。これは、断熱としてはあまり効果はありませんが、窓から吹き下ろしてきた風を、直接人がいるところに当たらないようにすることで、快適性を向上させることができます。 結露との関係について†カーテンや、障子のように、湿り気が窓に回り込んでしまう場合には、結露が起こりやすくなります。また、プチプチシートを貼った場合でも、張ったときに隙間がある場合にも、そこから気流がおこって、結果的に結露を引き起こすこともあります。 結露を防ぐためには、密着してすきまなく張ることが必要です。 ちなみに、結露については、窓よりも風通しの悪い壁での結露のほうが家屋にとって悪影響があります。特に家の北側にある部屋や押入れで起こりやすいので注意が必要です。部屋の湿度を高くとると、相当しっかりと断熱が配慮された家でないと、結露は起こります。インフルエンザ対策で室内気温20℃で60%程度の湿度を保つために加湿器を使っていると、窓の表面温度が12℃で結露が始まります。これは、相当高いレベルの断熱性能が必要です。家の暖房はどんな家でもできますが、加湿ができる家は限られており、いくら加湿しても無駄になります。室温を控えめにするか、加湿をなるべくさけるようにしてください。 おすすめの家庭†窓にペアガラスや二重サッシを導入していない家庭にお勧めです。
断熱効果についての解析窓の熱貫流、カーテンの熱貫流、カーテンの上下が空いている場合のコールドドラフトなどを考慮した解析をおこないました。窓の断熱の工夫による効果計算から、その結果とシミュレーションを見ることができます。 カーテンは輻射熱を吸収して熱伝導が小さいので、窓よりも表面温度が高くなり、暖かくなります。それ以外の熱の移動については、カーテンが窓をどれだけ密閉できるのかに大きく依存しています。5cm以上離れている場合には、何もなかった場合と同程度に空気が流れ込み、コールドドラフトという冷たい風の流れが生じます。すきまを1cm以下にすることで流れを大きく止めていくことができます。 コメント†
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