太陽光発電装置を屋根にとりつけましょう†太陽の光を電気に変える装置が太陽光パネルです。屋根に設置することで、家庭で消費する量をまかなうほどの電気を生み出すことができ、非常に環境面で望ましい装置です。お住いの家の屋根につけることもできますし、新築であれば最初から設置をしておくと工賃も安くすみます。 家庭の温暖化対策の中で、最も大きな効果を生み出す取り組みの一つです。標準的な家庭で使用するエネルギー(自家用車を除く)の半分程度をまかなうことができます。あとの半分で省エネができれば、自然エネルギーの範囲で生活することもできます。そんなZEHと呼ばれる住宅(参考:E115 ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に建て替える)も標準になりつつあります。 2009年11月から電力会社に売電する価格を、10年間にわたり固定価格で行う制度が始まりました。順次買取価格は下げられており、2024年度設置の場合は16円での買い取りがされます。現在電気代の単価は30円/kWh程度となり、自家消費を増やすほうがお得になります。おおむね設置から10〜15年程度で元がとれ、その後は電気代分だけが「稼げる」ことになります。 大型の10kW以上のパネルの場合には、全量売電では買い取りが20年間保証されます。屋根につけられる家庭は少ないかもしれませんが、郊外で庭などに設置する使い方もあります。 なお、家庭の電気料金単価は消費量が多いほど単価が高くなる、段階料金が採用されています。多くの電力会社で、月300kWh以上使う範囲では30円/kWhを超えており、買取制度に頼らなくても、元がとれる時代になりつつあります。また、太陽光パネル自体の価格も安くなっています。 太陽光発電装置単体での補助金は少なくなりましたが、蓄電池とセットなどで補助がされる場合があります。冷暖房を使わない時期(春や秋)の晴れた日には、日本全体で太陽光発電量が余る状況が発生しており、地域によっては発電制限がかけられることがあります。太陽光発電は日光に応じて決まるもので、需要にあわせた調整はできず、こうした使いきれない電気をどのように活用していくのかが、太陽光発電を拡大させていくためにも大きな課題の一つとなっています。蓄電池はそれに対する有効な対策です。 日本でもメガソーラーとよばれる巨大な太陽光発電設備が増えてきただけでなく、世界的には価格競争力があるために、途上国も大企業も競って発電設備を作る時代になっています。欧米の巨大企業の中には、使うエネルギーのすべてを再生可能エネルギーで賄うことを宣言した会社も多くあり、「RE100」というイニシアティブの元で、その数も増えています。日本ではリコーが初めてRE100の宣言をして以降、多くの事業者がRE100宣言を行っています。ちなみに、家庭は昼間の電気消費が多くないですが、事業者は昼間の電気消費が大きく、建物に太陽光発電装置を設置するのは非常に理にかなっています。 遠方から電気を運ぶと送電ロスが多くなるため、自分の家の屋根で発電するという方法は、とても望ましい方法です。 効果†設置容量を kW として計算すると、
費用†太陽光パネル、系統連結装置(家庭用電源として使うための装置)、設置費用がかかり、大きさや工務店にもよりますが、100〜200万円程度かかります。 国の補助金はなくなりましたが、蓄電池と組み合わせた形で、自治体ごとの補助金もあります(環境ビジネス.jp: https://www.kankyo-business.jp/subsidy/solar/)。 関連の取り組み†同じく太陽エネルギーを利用する仕組みとして、E04 真空貯湯式のソーラーシステムを設置して利用する、E07 太陽熱温水器を設置して利用するなどがあります。屋根を取り合ってしまうので、十分な広さがない場合には、どちらかしか導入できないことがあります。太陽光発電は、太陽熱温水器に比べるとメンテナンスの手間もなく、トラブルも少ないようです。 E111 ベランダに太陽光発電装置を設置する方法もあります。照明1灯程度で用途は限られますが、安価で太陽光発電を体感することができます。太陽のありがたみがよくわかります。
導入のしかた†値段が高いので、まずはホームページや住宅展示場などでパンフレットなどを取り寄せ、メーカーや工務店の比較検討をしてみてください。補助金などの手続きは業者が対応してくれます。また実際の工事はほぼ1日で完了します。 業者による訪問販売もありますが、屋根をいじりますので、保証があり信頼できる業者を選ぶようにしてください。 なお、太陽光パネルの一部が影になったり故障することで、全体の発電量が大きく低下することがあります。維持管理も含めてしっかりしている業者かどうか確認をしてください。
おすすめの家庭†日光がよくあたる一軒家をお持ちの方なら、環境負荷削減の観点からおすすめです。瓦屋根でも設置できます。ただし、100万円以上の初期投資が必要ですので、余裕のある方になるかと思います。特に新築の場合には、工事の手間が少なくてすむため、おすすめです。 なお、屋根に重量があるものを載せますので、十分な耐震性能があるかどうかは、検討する必要があります。 解説†車や電車などで走っていると、時々太陽光パネルを屋根に乗せた家をみかけるようになりました。2019年時点では9%の住宅に設置されています。 メガソーラーの導入が進んでいる九州地方では、太陽光の発電量が大きすぎるため電力需給のバランスが取れなくなるために、ピーク時に約2割の太陽光発電からの電気の買取を一時停止する状況も発生しています。また夕方以降に太陽光発電分がなくなるために、昼間の電気を充電・揚水して、夕方以降に発電・放電しています。 太陽光など再生可能エネルギーが、私達の電力の大きな割合を賄う時代になってきています。 環境負荷†「太陽光パネルを作るために多くのエネルギーがかかるので望ましくない」という議論がされたこともあります。しかし製造に必要なエネルギーはほぼ2〜3年程度でもとを取れる程度ですので、寿命が15年以上あることを考慮すると、「望ましい」装置と言えます。 価格†
太陽光パネルの設置価格は、1995年ころは600万円程度していましたので、現在は非常に安くなってきているといえます。新しいパネル大量生産プロセスが実用化されましたので、今後も安くなることが考えられます。いずれ、他の発電所よりも発電単価が安くなる(これを「グリッドパリティ」と言います)時代がやってくると予測されています。 寿命と維持管理†環境面でいいのか、価格的に元をとれるのか、の議論のためには、いったい太陽光発電の寿命がどれだけなのか検討する必要があります。まだはっきり寿命が示されているわけではありませんが、20年以上の稼働実績はあります。むしろ、電気を家庭用の交流に変換する装置の寿命が短いようです(おおむね10年)。 適切に発電をしていくためには、維持管理が必要となります。2017年度より再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が変更となり、家庭設置の太陽光発電であっても、発電者として適切な維持管理もすることがガイドラインに明記され、それを遵守することが求められます。メンテナンスは比較的少なくてすむ機器ですが、環境と安全のためにも、定期点検は心がけるようにしましょう。 なお、家庭に設置する太陽光の場合、業者が10年程度の保証をつけることも多くなっています。 コメント†
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