買い替え時に最も省エネ型のエアコンを選びましょう†エアコンの省エネ技術は進んでおり、20年前に比べて、電気の消費量が半分程度にまで下がっています。ここ10年程度はそれほど性能向上はなく、メンテナンスをしながら大切に使うこことも製造・廃棄エネルギーの削減に効果的です。 ただし、販売されている機種でも性能に大きな違いがあります。買い替えをするときに、いちばん省エネ型のものを選ぶことができれば、使っている間は何も気にしなくても、大幅に省エネができることになります。 あわせて暖房でもエアコンを活用すると省エネになります。ガスや灯油の暖房にくらべて、同じだけ暖房をしたときの環境負荷は半分以下になります。特に最近の機種は、暖房性能が向上しており、床までしっかり暖める機能がついています。 暖房時を中心とした性能(送風、最大出力、低出力時の調整能力)などは、高性能機種のほうが配慮されて設計されており、暖房も含めてエアコンを使うことが多い場合には、高性能機種の省エネメリットが見えてくると考えられます。 2.8kW機種(木造10畳) 5.6kW機種(木造18畳) 図は、1993年から2015年までの販売されているエアコンの性能(COP値/APF値)の変化を示したものです。1999年ころから急に高性能な機種が販売されるようになり、2004年以降販売の機種は10年前の最高性能機種より省エネ性が高まっています。トップランナー方式という政策の成果です。なお、2010年以降はCOPからAPF(年間効率)に表示が変更されています。最近は2.8kWタイプでは向上があまりみられませんが、5kW以上の大型での性能向上が際立っています。APFのほうが値が大きくなっているのは、外気温が寒くない(暑くない)期間の負荷を含めているためで、温度差が低い場合には効率も大きく向上します。 効果†暖房もエアコンでしている場合
冷房のみで暖房を使っていない場合
費用†省エネ性能の高いエアコンは、10万〜20万円程度します。普及機種では10万円以内のものが出回っていますので、販売価格では5〜10万円程度高くなる可能性があります。 ただし光熱費が安くなりますので、販売価格の差の分だけ負担しないといけないというものではありません。暖房も含めてエアコンをよく使う場合には、元がとれる場合もあります。 関連の取り組み†エアコン以外にも、省エネ性能が高い家電製品はたくさん出回っています。E09 買い替え時には、最も省エネ型の冷蔵庫を選ぶや、E15 同じ大きさで、液晶などより消費電力の少ないテレビを購入するなども、参考にしてください。 また、暖房でもエアコンを使うと省エネになります。E12 (冬)気温が氷点下にならない時期はストーブ・ファンヒータではなくエアコンで暖房をするを参考に、暖房でも活用してみてください。特に最近のエアコンは暖房機能が充実しており、暖房でもエアコンを使うようにすると、多くの場合に十分元がとれるようになります。 導入のしかた†電器屋さんの店頭で並んでいるものや、カタログには、どれが省エネ性能が高いかが表示されています。 エアコンには★マークのついた、統一省エネラベルが参考になります。★の数の多いもの、できれば5つ★のものを選んでください。 このほかに、「年間電気代」「年間電気消費量」「年間エネルギー消費効率(APF)」「省エネ達成率」が指標となります。電気消費量は値が小さいほど、エネルギー消費効率や省エネ達成率は値が大きいほど省エネ性能が高いことになります。 なお、エアコンの年間電気消費量、年間電気代は、夏3.6ヶ月、冬5.5ヶ月使用し、1日18時間つけることを前提に測定されたものです。ふつうの家庭の使い方からすると、多めの値がでてきます。また、エアコンのサイズに応じて部屋を広くした想定で電気代を算出していますので、大型機種のほうが電気代が高く表示されますが、性能が悪いわけではありません。 エネルギー消費効率値は、3から7程度の数値です。電気がもっているエネルギーの何倍の冷気や暖気を供給することができるのかを示す数値になり、値が大きいほど、エネルギーを有効活用できることになります。 また、暖房でも活用するにあたっては、性能の低い機種と高い機種では大きな差が出てきます。店頭表示やカタログで暖房能力のところを見てみると、(0.8〜7.6)といった括弧書きで数値が示されています。最も大きな数値が最大能力(kW)で、これが大きいほど、暖房をつけたときに暖まりやすくなります。性能の高い機種と低い機種の違いは、この最大能力の違いに出ています。 電気ストーブの最大出力は1kW、ガスファンヒーターなども最大で4kW程度ですので、それらよりはるかに強力に暖めます。
(2019年4月更新) おすすめの家庭†そろそろエアコンの買換を考えている家庭におすすめです。なおエアコンの寿命は10年ほどありますので、それ以内の方は、できれば修理して使うようにしてください。 古いエアコンであっても、年1〜2回程度しか使わないといった、頻度が低い場合には、買い替えによる削減効果はあまり出ませんが、暖房をよく使う場合には、エアコンで暖房することと合わせて、ぜひ省エネ型を選んでください。 エネルギー消費効率(COP)と年間エネルギー消費効率(APF)、年間電気代†どちらもエアコンの性能を示す数値で、値が大きいほどよくなります。電気が持っているエネルギーの何倍の熱を、暖房時に部屋に供給できるのか(冷房時は部屋から取り除けるか)を示す数値です。 COPは定格運転時の値をそのまま示していますが、年間を通じて定格運転をすることはなく、出力を下げて運転する場合には効率が落ちる傾向があります。これを含めて、年間を通じてどの程度の平均COPが達成できるのかを示しているのが、APF値で、現在この値が性能として評価されます。 なおエアコンの年間電気代については、東京を基準に、冷房3.6ヶ月、暖房5.5ヶ月を使用し、1日平均18時間使うことを想定して計算をしています。多くの家庭ではこれほどエアコンを使うことはないことが知られています。冷房のみに使う家庭も多く、調査によるとこの2割程度が実態だと推計されています。 また、エアコンはON・OFFを繰り返すと、始動時の電気が無駄になり効率が低下します。おおむね30分以内程度で戻ることが確実の場合には、設定温度を控えめにしてつけっぱなしにすることも効果的です。 また、猛暑日になるような日は、昼間に窓を開けて風を通すと室内全体が熱を持ってしまうため、締め切っておいたほうが省エネになることもあります。特にエアコンを止めた後は、室内の温度がしばらく低く保たれますので、すぐに窓を開けないほうが快適です。 コメント† |